ポカンは悟りである


 野口晴哉氏は日常生活で、「ポカン」とすることの効用を説いた。
「ポカン」とは、全身の力を抜いてリラックスし、何も考えず、ボンヤリすることである。たかだかこれだけのことだが、大事なことである。
 私たちの日常は忙しく、人間関係の悩みや将来の不安などでストレスがたまることもある。こういう生活の中で「ポカン」とすることは、自分を取り戻すための手段となる。身心の緊張が取れ、リセットできるのだ。「ポカン」とするのに場所はとらず、道具も不用で、お金もかからない、良いこと尽くめの方法である。大いに活用すべきである。
 観方を変えれば、「ポカン」は悟りである。悟りは比較・分別という相対的な世界を超越することであるから、何も考えない「ポカン」は絶対の一であり、故に悟りである。
 しかし「ポカン」は長くは続かない、それはまず生理的に無理だということ。そして社会生活を営むにあたり、「ポカン」状態では問題があるということである。だから時々「ポカン」とするのがいい。たとえば忙しい仕事や家事の合間に、或いは寝る前などに。
 「ポカン」とするには、その前に「邪気の吐出(みぞおちを指で押しながら体を前に屈めていき、それに合わせて息を長く吐き出す)」をすると、「ポカン」とし易い。

 トップページ・・・「気気」へ